読了できた! [本の感想系]
このタイトルを書いて、前のサッカー日本代表監督が何かのCMに出演して「一人でできた!」と言っていたのを唐突に思い出しました。今更言っても仕方ないけど、中田一人ではいかんともしがたかった。
‥‥ごほん。
稲垣久和『靖国神社「解放」論』光文社ペーパーバックス、やっと読了できました。
靖国神社「解放」論 Yasukuni and Public Philosophy
- 作者: 稲垣 久和
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/07/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
連日のアマゾンリンクに加えて今日は読了記念として【bk1】へのリンクも貼っておきます。
全体的には、とてもよかったです。
ちょっとマズイかな?と思えるところも少々ありました。でもわたしは20代以降そういうところの一切ない本にお目にかかったことがほぼ一冊もありませんからわたしにとってそれはアタリマエのことです。悪いところを言葉にして指摘できる、かつそれが数点しかない、それは逆にとてもすごいことだと思います。マズいと思えたところは大体些末なことだったし(どこがマズいと思ったかは今日は言いません)。
この本の特徴を一言で表現すれば
公共哲学から読み解く靖国問題
ということになると思います(裏表紙まんまやんけ)。そしてもう一言付け加えるなら
もごもごもごも
ということになると思います。さらに加えるなら
心脳コントロールと分かりやすさの罠にやられて騙されたらダメだよ!問題を矮小化することで捏造された二項対立に引き込まれちゃヤバいよ!
ということになるでしょうか。ちくま新書のタイトルにからめてみました。
仲正昌樹【「分かりやすさ」の罠】ちくま新書【bk1】
小森陽一【心脳コントロール社会】ちくま新書【bk1】
仲正氏の本は読み始めたばかりです、ばかりですが、ふたたび名著の予感です。乱暴な解釈で無茶苦茶簡単に言うと、わかりやすそうに見える二項対立の罠にはまらないようにしましょう、ということが書かれているようです。もちろんそれだけでは本にならないのでもうちょっといろいろ書いてあると思いますよ、でもわたし表現力低いしまだまだ第一章しか読めてないし。
要は、とにかく最初に「敵」に相応しいものの中から印象に残るのを選んで、そこを起点にすれば、二項対立図式を作りやすいということである。我々は普段それをかなり無自覚にやっている。適当に悪者役を決めて、それを倒してくれそうな正義の味方に期待しているうちに、何となく自分にとって分かりやすい二項対立敵な世界が構築されている。怪獣が先に登場して町を壊してくれないと、異様な風体をしているウルトラマンが正義の味方だとわからない。(p.66)
いまのところココすごい好きです。
ここ10年くらい、意識して買ってる新書は、小説は講談社ノベルス、それ以外は圧倒的に「ちくま新書」が多くなっています(ちくま新書っていつから出てるんだろ)。
筑摩書房は昔から大好きです。なんといっても堀辰雄の全集を出してくれてるっていうのが何がどう転んでも好印象である、その最大の理由かも知れません。堀辰雄の師匠の芥川龍之介が亡くなってから書いた芥川研究の卒業論文、現存する・所在の判明した往復書簡全部、習作、‥‥ともかく堀辰雄が堀辰雄になってからの文章をほぼ全部網羅しておさめてくれてる全集があるのですよ、まだ買えてませんが。それを出してくれてるのが筑摩なのです。そのへんからわたし筑摩は好きなのです。その勢いで新書も大好きです。
ちくま新書をよく買うのは、もちろんそれだけが理由ではありません。前にも書いたと思うけどスタンスや問題意識がとても良いと思うからです。わたしの興味の範囲と重なってる本が多いからだとも思います。タイトルだけ素晴らしくて中身が一切ともなってない本が著しく少ないというのも、とっても好きです。
昨日の日記よりも詳細な紹介文は、期待してくれてる方がもしかしていらっしゃったらの話ですが、もう少しお待ちください。
なお、こないだアマゾンから買ったこの人の『宗教と公共哲学』(東京大学出版会 2004年)という本は、やっぱりヨコ書きでちょっと読みにくそうです。でも内容的にはとてもとても興味深そうです。また、今日本棚から見つけた『戦争と追悼 靖国問題への提言』(八朔社 2003年)という本、いちばん最後に収録されている「公共性から新追悼施設を考える」という一論文はこの人が書いていました。わたし多分読んでない(読んでも解釈できてない)と思うので、これからキッチリ読んでみます。
今日は「はらぺこあおむし」のぬいぐるみL・M・Sや、ペンケースや、洋ナシや葉っぱをかじってるやつなどを大量に注文しました。近年にない額になりました。
ではでは。
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