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されたくないことを人にしてはいけない [法話]

 お釈迦さまは、生き物を殺すことや、暴力をふるうことを誡められました。「殺してはならない。殺させてはならない。」という言葉は、時を超え空間を超え、2500年を経た今もなお、世界的に有名です。

 『七仏通誡偈(しちぶつつうかいげ)』という、七つの仏さまに共通の短い詩があります。↓

「諸悪莫作(しょあくまくさ)
 衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)
 自浄其意(じじょうごい)
 是諸仏教(ぜしょぶっきょう)」

 一般的には
「悪いことはせず
 良いことをしよう
 自ら心を清めよう
 これが仏教である」
という意味です。
しかし「自浄其意」(自ら心を清めよう)を玄奘三蔵は「自調伏其意(じちょうぶくごい)」(その思いを克服しよう)と翻訳しました。

 これは、「悪いことはせず 良いことをしよう」という、自分が自分なりに考えている善悪の基準をこそ疑い、克服しなさいということです。

 なぜなら、争いは、自分の正義が絶対だと主張し合って発生するからです。「正義を通すためなら多少の犠牲も厭わない、なぜならわたしは正しいから」と思ったら、それは正義ではなく思い込みです。横から友人の誰かが「それはおかしい」と言ってくれなければ大変なことになります。

 あの人に、そういう友人は一人もいなかったのでしょうか。そうだとしたら、それは大変に残念で、悲しいことです。

(寺報の原稿)

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