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もっと大事なことがあるだろーに。(-_-;) [政教分離]

 最後の最後に本当にどーでもいい「公約」に固執したなあ。もう本当に、本当にしよーもない。

 小泉純一郎くんの靖国神社参拝には目を覆うしかないわけだけど、それについては左のカテゴリ[政教分離]にバカがつくほど詳しくわたしの見解を記してありますので、そちらに譲ります。かなりの分量があります。自分でも読むの相当疲れます。天皇の靖国参拝を麻生氏が云々した、そのときのニュースに対するわたしの反応、それについての他の方とのコメントの遣り取りが、その人に対するわたしの質問で収束した、そんなところもとても充実していて読み応えがあるんではないかと本人は思っています。でも自画自賛される絵って大抵それはそれは酷いしろもんであることが多いんですよね。

 ともかく。政教分離については左のカテゴリから[政教分離]をどうぞ。

 今日問題にしたいのは、マスコミです。特にNHK。

 小泉さんの靖国参拝を伝えていたときのNHKの放送のやり方・伝え方。

 あれはあまりに酷すぎる! と思いました。

 まあ、NHKのみならず、すべての放送局が酷すぎたと思います。朝来た新聞に書いてあるくらい予定調和な参拝なんだから、殊更に生中継する必要は一切ないはずだ。なのにNHKの教育とBS1以外は小泉さんの車列その他をずっと写し続け放送し続けてました。

 思えば、松坂大輔投手がプロ初登板した夜、どこの放送局も18:00頃のニュース番組でその姿を生中継したものでした。

 小泉さんのしょーもないパフォーマンスも、その程度の重みしかない気がしました。松坂という大投手が投手として初めて登板してる姿は、それは慥かに誰もが見たい場面ではあったろう。しかし小泉さんの靖国参拝は、少なくともわたしはまったく見たくない。そんなものを望んではいない。

 周知のように、小泉さんの靖国「公式」参拝が違憲であることは先日結審した裁判から見ても事実であるわけで、そこから見れば小泉さんの更なる靖国参拝は看過できない事実であり、どうでもよくない事実ではある。

 けれど、小泉さんの靖国参拝が問題視されねばならないことと、それを生中継すべきかどうかとは、厳密に区別されなくてはならないはずだ。

 全TV局がそれぞれ独自にヘリコプタを出してバカ騒ぎしたりするから彼も嬉しくなって、私的時間に私費で、でも公用車を使って「首相小泉」と記帳するという、間の抜けた立場と責任をひっさげての甚だ中途半端な公式公約参拝をしたくなるんである。カメラを意識しすぎの・カメラの前でしか政治をしようとしない首相なんて放っておけば良いのに、そんなこともわからないのか、日本のすべての放送局は。

 ひどいなあ、ひどすぎるなあ。

 ‥‥ごほん。

 さて、そこで今日のNHKの朝のニュースの、小泉さんの参拝を伝えたときの言葉について。アナウンサはこのように語りました。

「小泉総理大臣は、以前から靖国神社の参拝について前向きな姿勢を示していました」

「‥‥そういった状況を踏まえての決断であったと思われます」

(聞き取りです。この通りの字並びではない)

 小泉さんの参拝についてNHKが伝える際、「前向き」そして「決断」という、良いこと・後押しされるべきと考えられることを指し示す際に修飾語として用いられる、「善」のイメージと密接な関係にある言葉が、たくさんある言葉の中から殊更に選択されて使用されたのです。

 ここには、NHKが小泉さんの靖国参拝を「是」として扱っている姿が否応なしに見て取れます。

 また、そのときのカメラはどうだったのか。

「本当にたくさんの方が靖国神社に参拝しています。そこに小泉総理大臣の乗った車が到着しました」

 カメラは、上のようなコメントとともに靖国神社境内を映し出しました。その画像には、靖国神社を見学した人なら誰でも知っている、靖国神社という特殊環境が醸し出している、あのえも言われぬ威圧感と、玉砂利を踏み踏み境内を歩く中で感じられる息苦しさ、そしてそれゆえに濃密なものとなる参拝の達成感、それらの「重苦しさ」は敢えて表現されずにいました。

 そのかわりにカメラが選び取って映し出したのは、どこにでもあるような朝の明るさであり、どこにでも降るような雨が降っている状況であり、どこの神社にもあるような見慣れたカタチの鳥居であり、まるで初詣のようにたくさんの人でごったがえす、お祭りのような活況を呈している境内であったわけです。

 なお、これは思いこみではありません。NHKのHi-visionカメラはとても優秀であり、しようと思えば何でも、ほぼ何でも表現できるのです(『新シルクロード』の紹介フィルム参照)。だからこのように申しております。

 「ありふれた神社」の朝の中を「たくさんの人」が歩き回っている、そのように演出された靖国神社。

 そんな情景を映し出すことで、NHKは、靖国神社が、あたかも、日本中のそこかしこにたくさんある他の神社とまったく同じような機能と役割しか担っていない、ごくごくフツウの神社ででもあるかのように表現しようとしていたわけです。

 「そりゃ考えすぎだろ」?

 いいえ。繰り返しになりますが、NHKのHi-visionカメラとそのスタッフはとても優秀なのです(『新シルクロード』の紹介フィルム参照)。やろうと思えばこれくらい朝飯前です。と言うか、やろうと思ってやらなければあの靖国神社をこんなに効果的に“フツウの神社”っぽく映し出すことはできません。

 以上の視聴覚的効果を考えると自ずと見えてくるもの。

 それは、

 「NHKは首相の靖国参拝を熱烈に支持しています! 首相や政府に不利な報道は一切しません! だから国会その他でも二度といじめないでください! 他の放送局の方もよろしくお願いしますよ!」

 という、NHKが打ち出している、一つの姿勢だったのでありました。

 NHKよ、おまえもか。というか、政府から財政支援を受けている以上、そして財布のクチを政府に握られている以上、ある程度は与党寄りになってしまうのは、ある意味「当たり前」すぎる現象か。でも「当たり前」すぎても、その理由が理由だけに、わたしはとても残念だ。

 防衛策は自分でしっかり練らなければダメですね。NHKばかり見ていたらバカになる。なお、今朝はチャンネルを少しずつ替えながら、それでもNHKばかりをメインで見てたため他の局の伝え方がどんなふうだったのかわたしにはわかりません。ひょっとするともっとすごかったのかも知れない。

 でも何をどんだけ見たところでちしゅーはこれ以上バカになれないから何を見ても一緒ですよ、という気も本人すごくしてたりします。

 一つ言えるのは。

 政教分離を一切考慮しないで発言するコメンテイタが多すぎて、わたしは非常に頭が痛いです。

 また、本当は最近の現象ではないのかも知れないけれど、わたしには最近の現象のように思えることに、

 「そんなこと当たり前でしょ!あなた何言っているの!」

 で一刀両断できるかのように無茶苦茶な“なまくら庖丁”を振り回すコメンテイタが多い、ということがあります。

 「当たり前でしょ!」という発言は、その理由を提示しない限り、当たり前の理由、「なぜ?」をまったく説明できておらず、つまり初めから何も言ってないのと一緒です。発言者の思考停止を如実に示す言葉、それが「当たり前でしょ!」です。思考が停止することは悪いことばかりでもない。しかし思考が停止して脳がとても危険な状態になっていることに本人が気づけていないのなら、それはとても悪い状態です。

 最後に。

 中国と韓国がやいのやいの言うから参拝してはいけないのではありません。中国や韓国が何も言ってこないとしても、首相は靖国神社に参拝してはいけないのです。

 なぜなら、靖国神社は、歴とした神社であり、また、侵略行為と戦死者を再生産するための装置なのですから。

 つまり、首相の靖国神社参拝を是とする世論を作り出すことに寄与しようとするTVなんて、水源に害毒を垂れ流して利用者を慢性的な中毒にしようとする水道会社みたいなもんです。まさに風上にも置けない。いや水源にも置けない。

 地上波で情報を発信する(垂れ流す)立場の人間には、それなりの自覚と責任が求められると思います。

 そういう意味で、今日の朝のNHKニュースは、大失格と言えます。

 他に重要なニュースその他があったとしても、それがあのダラダラな放送で全部つぶされてしまった。車列をそのまま映すばかり、何度も同じ言葉ばかり繰り返し繰り返し喋るばかり。あれで報道のつもりなのか。

 もっと大事なことがあるだろーに。(-_-;)

 たとえば、BS2で言えば、なぜ定時通りに『きらり』を流さなかったのか!(>_<。)

 わたしはそこを本当に怒っている。テポドンが発射されてもBS2では『きらり』が見られたのに。北朝鮮による突然の軍事行動と、何日も前からわかっていた小泉の靖国参拝。なぜ後者でのみ『きらり』が定時で見られなくなるのか。

 NHKのやり方、本当にわけがわからない。

 今日は

心脳コントロール社会

心脳コントロール社会

  • 作者: 小森 陽一
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 新書


を読了しました。とてもすごい本でした。春樹や漱石の作家論・作品論だけの人では、やっぱりなかったんだなあ。超おすすめです。時間みつけて紹介を書きたいです。


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