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長倉伯博『ミトルヒト』本願寺出版社 [本の感想系]

長倉伯博
ミトルヒト
終末期の悲嘆に寄り添う
一人の僧侶の軌跡
本願寺出版社
2015年1月16日初版
(購入は3月20日の二版)
1000円+税

ミトルヒト.jpg

 鹿児島の病院で以前より「ビハーラ」(≒仏教ホスピス)をしている浄土真宗本願寺派(お西)僧侶で住職の著者が、自らの活動と出遇った人々の思い出を紹介する。

(目次)
 はじめに
 私の出発点~「坊さんだけは遠慮してくれ」~
 お坊さんに聞いてほしかった
 「死なせてくれ、殺してほしい」
 あらゆる痛みと苦悩
 僧侶は生前に、医療者は死後に関わりを
 ご家族のケアも大切
 お父さんカッコよかったよ
 無二の親友の心停止まで
 入院で自ら患者経験
 沈黙の共有にも大切さ
 そばにいてくれるということ
 医療と宗教が自然に手を携える日を夢見て
 おわりに

 さまざまな出来事を通し、また、いろいろな方々の思いを聞き、言葉や思いをやりとりしていく中で、たくさんのことを教えられて活動を続け著者の姿がある。どういうきっかけでこのような活動をすることになったのか、どのように活動を続けているか、どんな苦労やどんな嬉しいことがあるか、今はどのように考えているか。

 終末期医療とか、医療者と僧侶の連携とか、悲嘆に寄り添うとか、……難しそうな言葉で括ってきちんと考えていくことも大事だし、著者のように、人と人とが言葉やココロ、行為を通してつながり響き合い感じ合っていく、そこをとにかく大切にしていくことも大事である、そう思わされる。

 真宗の僧侶であるからにはこのように活動しなければならない、というより、真宗の教えをいただきお念仏の真実をよろこぶ身となった著者が、こんなに自然にばりばり動いているという印象である。自由自在で柔らかくて温かい。

 思いや行動の後を言葉や論理がついてくるということなのだと思う。こんなふうになれたら良いなと思う。


ミトルヒト ―終末期の悲嘆に寄り添う一人の僧侶の軌跡―

ミトルヒト ―終末期の悲嘆に寄り添う一人の僧侶の軌跡―

  • 作者: 長倉 伯博
  • 出版社/メーカー: 本願寺出版社
  • 発売日: 2015/01/16
  • メディア: 単行本



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