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大谷光真『人生は価値ある一瞬(ひととき)』PHP研究所 [本の感想系]

大谷光真
人生は価値ある一瞬(ひととき)
PHP研究所
2015年10月1日
1000円+税

人生は価値ある一瞬.jpg

 浄土真宗本願寺派の前門主・本願寺の前住職である著者が「手っ取り早い解決法にはなりませんが」とことわりつつも、「現代生活のさまざまな課題にどう対処することができるか」を仏教の教えを生きる者の立場や考え方から解こうとする。

 はじめに
 1章 こころ安らかに生きるために
 2章 素直に生きるために
 3章 幸せに生きるために
 4章 元気に生きるために
 5章 手を携えて生きるたえに
 6章 困難に負けずに生きるために

 本願寺出版社から出ている濃い紺色の表紙の『浄土真宗聖典 勤行集』の小さいサイズのとよく似た体裁。文庫本サイズで、表紙・裏表紙は本文部分より一回り大きめの黒いビニール。その上に紙カバーと帯、ビニールカバーが付属している。帯のオモテに著者近影があり、びっくりするほど朗らかに「くしゃっ」と笑っている。(何があったのか。解放感?)

 大きめの字で行間も広め、おおむね3ページから4ページの短めで読みやすい内容のエッセイがそれぞれの章に8~13個収録されている。「はじめに」も含めて全60本。個別のテーマは「「おかげさまで」のこころで生きる」「頼りにならないものに頼って生きる」「こころの進歩」「和顔愛語」「家庭教育の大切さ」など多岐にわたる。

 子どものすることを見ていて不安になり、先に先にとあれこれ指示を出したくなっても、ある程度は自主性に任せて成長を促すのは実に大切なことである、という内容のエッセイは、最近著者が息子に門主を譲った姿とどうしても関連づけて考えさせられてしまった。水準は違うのだろうが、どんな人にも似たような苦労があると言えるのかもしれないと思う。

 多くの人は仏教や真宗を知っているつもりで、実は案外はっきりとはわかっていない場合が多い。対し、著者は自覚的に真宗や仏教を礎として生きている。思考や洞察が広く深く、なるほどと思わされることも多い。いつもとはちょっとだけ違った角度からの考え方にときどき触れるのは、必要だし、大事なことだと思う。だから、そういう意味でもお薦めである。

人生は価値ある一瞬(ひととき)

人生は価値ある一瞬(ひととき)

  • 作者: 大谷 光真
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2015/09/16
  • メディア: 単行本



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