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古処誠二『いくさの底』KADOKAWA [本の感想系]

「終戦の日」を前に読み、いくさを思う。

いくさの底

いくさの底

  • 作者: 古処 誠二
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/08/08
  • メディア: 単行本
 
 前作もビルマ。今作もビルマ。
 
 日本軍は、一体どこで何をしてきたのか。どういうことなのか。
 
 著者の生年(1970年)から考えてあり得ないことだが、「見て来たのか? いや体験したのか? そうなのだろう?」といぶかしく思えるほどに冴える筆致は今回も変わらない。
 
 装丁も素晴らしい。これはつまり、「一刀」です。

 12日に散髪に行った帰りに長崎屋(帯広)のザ本(ザ・本屋さん)(喜久屋と提携)で購入。納骨堂にお盆参りに来られる方々から読経を依頼される合間・合間に読了しました。
 
 デビュー作からずっと気にしてる作家で、3作目・5作目といきなり作風が変わって驚愕しましたが、昔の作風も今の作風もどちらも大好きです。
 
 何度も直木賞候補になり、何度も落ちています。わたしも「獲ってほしいなあ」と思ってるくらいだから、本人は相当ややこしい気持ちになり続けてるんじゃないかと思います。しかし、多分もう吹っ切れてるんじゃないかとも思います。
 
 なんせ素晴らしかったです。
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レビューをいただきました。 [本の感想系]

自著(右側にリンクがあります)に新たにレビューをいただきました。
ありがとうございます。高評価です。恐縮です。

https://www.amazon.co.jp/review/R3OUWP8ABI6U8A/ref=cm_cr_rdp_perm

……ただ、この方、わたしがとても苦手にしている本があるんですが、その本のレビューも書いていらっしゃって、そちらもまったく同じ星5つの高評価です。

何かにうじうじ悩んでいた人が「あっ!」と言って突き抜けてから書いた?ような本が、内容はさておいて、とても好きだ!ということなのかも知れません。

何にせよ、読んでくださってありがとうございます。
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自著にレビューをいただきました。(プラスアルファ。) [本の感想系]

自著へのレビューを書いてくださっているブログを見つけました!
ありがとうございます!

「木牛流馬が動かない」さん
http://euphoniumize-45th.hatenablog.com/

その、9月30日のエントリ!
http://euphoniumize-45th.hatenablog.com/entry/2016/09/30/093524

嬉しくなったのでコメント欄に「ありがとうございます!」というコメントを残そうと思い、パソコンの中の日記にいそいそと書いて、それをコピー&ペースト、……したつもりが、日記の本文そのままを「まるっ」っとコピー&ペーストしてしまいました! 焦りました。

ブログのコメント欄に「削除してください」と書き込んだら、削除してくださいました!
重ねて、ありがとうございます!ありがとうございます!

ああ、もっと注意深く、丁寧に生きたいものです……。
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『まてまてさん』 [本の感想系]

まてまてさん (講談社の幼児えほん)

まてまてさん (講談社の幼児えほん)

  • 作者: おーなり 由子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/06/16
  • メディア: 単行本

妻の知り合いが出産祝いに送ってくださいました。
ことあるごとに息子に読んで聞かせています。(妻が)
読み方もあるのでしょうが、ものすごい定番感です。
きっと昔からある本なのだと思ったら、……なんと!息子より若い!
びっくりしました。

超おすすめです。
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大谷光淳『ありのままに、ひたむきに』の感想・紹介 [本の感想系]

大谷光淳
『ありのままに、ひたむきに
 不安な今を生きる』
PHP 2016年9月21日 600円+税

DCIM0870.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/4569834108/

第1章 一瞬一瞬を精いっぱい生きる
第2章 困難な時代をともに生き、ともに歩む
第3章 現代に生きる仏教の教え、親鸞聖人の教え
対談 ぶれることなく思いを伝える 遠藤保仁さん(ガンバ大阪)とともに
対談 親と子が安心できる社会に 大平光代さん(弁護士)とともに

読了しました。どんな本なんだろう?ととても不安でしたが、ホッとしました。何んかとても読みやすくてよかったです。仏教用語も「ゴリゴリ」という感じではほとんど出て来ません。

章立ての中に、さらに見開き2ページや、短いのは1ページ、長いのは4ページの「ライトエッセイ」がいくつも入っています。エッセイひとつひとつのタイトルがすべて3行と長め。…啄木か!

エッセイは、生き方や考え方、仏教や仏教的なものとの向き合い方についてやさしく書かれています。お念仏についてもすごくわかりやすい書き方で説明しています。何も知らない人が読んでも「すーっ」と入っていく場合があるのでは。文書うまいと思います。

対談は、へえ、こんな感じなんだ… と、ご門主の「人となり」がなんとなくイメージできるようにまとまっています。遠藤と大平さんについては「なんとなく」知ったつもりになっているけれど、この二人についても「へえ、こんな感じなんだ…」と思わされました。知らないのに知ったつもりになってしまっているんですねえ。

ということで、本願寺派の僧侶には、現門主についての公式なガイドブックが出た! とお伝えします。おすすめです。

仏教や真宗に馴染んでらっしゃる方にも、「本願寺派の門主はこんな人らしいですよ」、という意味や、「真宗や仏教の考え方について、アラフォー男子がものすごく易しく書いてくれてますよ」という意味で、おすすめです。

仏教よく知らないけれど、何かよい入門書みたいなのがあったら良いなと思っている人にもおすすめかなと思います、ただ大谷光淳氏の紹介本としての側面が後半は強いかもしれません。

600円+税ですから、損はそんなにしないと思います。

ありのままに、ひたむきに

ありのままに、ひたむきに

  • 作者: 大谷 光淳
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/09/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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自著にあたらにレビューがついていました。 [本の感想系]

自著『浄土真宗の信心がこんなにわかりやすいわけがない』
https://www.amazon.co.jp/dp/B018IZ7F4M/
にレビューがついていました。もう13コめです。ありがとうございます。

★は5ついただきました。おお。

……続きが気になる


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大來尚順 『端楽』(はたらく) アルファポリス・星雲社 [本の感想系]

はたらく.jpg
大來尚順 『端楽』(はたらく) アルファポリス・星雲社
2016年3月31日 1500円+税

 爆笑問題の「ぶっちゃけ寺」にも出演中の龍大OB僧侶の著作。

 「はたらく」ことにまつわるいろいろな悩みや鬱憤を、仏教の智慧を通して和らげ、「端」を「楽」にするエネルギーを得ていこうという試みである。仏教語を丁寧・誠実・正確に解説しつつ、「あなた」の悩みをともに考えながら、実際にサラリーマンでもある著者自身が、紹介する言葉に関連して、どんなふうにモチベーションを保って活動したり、ストレスを解消したりしているのかなどにも触れている。自身の歩みや思いもさらりと出てくる。とにかくTVの内容とはあまり関係がなくて安心である。

 TVは楽しみに見ていたが、この著者の言葉はあまり放映されない(実際にはもっとたくさん発言していると聞く)。真宗の僧侶が教えのままにぶっちゃければぶっちゃけるほど、占いも祟りも怨霊も心霊写真も厄年も厄払いも加持祈祷も何もかも仏教とは関係がない事実が明らかになってしまい、それでは残念がる人が多いからだろうか。もともと、番組は作り手がストーリィに沿って作るものであって出演者が作るものではない。しかしこの著者はそのような中でもよくやっていると思う。

 わたしは一般の会社に就職したことがないので、この本で著者が対象にしている「あなた」の悩みが本当にはわからない。しかし著者はネット上で実際にこの本に出てくるような相談を受けており、親身に応じているようである(この著者がやっているのとは異なるが、ネット上で僧侶有志が集まってやっている悩み事の相談窓口でも、まさにこの本に出てきたような悩みがよく投稿される。)

 そのような悩みを持つ人には、この著者が発する説明やアドバイスが恐らく身に染みて感じられ、勇気づけられるだろうと思う。共感する言葉から、さらに掘り下げて学んでいく道も開かれている。

 はたらく社会人向けの仏教入門書。

端楽(はたらく)

端楽(はたらく)

  • 作者: 大來 尚順
  • 出版社/メーカー: アルファポリス
  • 発売日: 2016/03/31
  • メディア: 単行本




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中屋敷均『ウイルスは生きている』講談社現代新書 [本の感想系]

ウイルスは生きている (講談社現代新書)

ウイルスは生きている (講談社現代新書)

  • 作者: 中屋敷 均
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/03/16
  • メディア: 新書
『ウイルスは生きている』読了。

「恐らく生命は様々なレベルで、様々な強さで生き物同士が、本来、繋がっているものなのだろう。少なくとも物質的には、誰も本当に「独立」などしておらず相互に依存し、進化の中では他の生物との合体や遺伝子の交換を繰り返すようなごった煮の中で、生命は育まれてきた。その生命の存在の様式は、あえて形容するなら、月並みではあるが、「生命の輪」とでも言うしかないもののように思える。」p.183

むちゃくちゃ面白かったです。

この本を読む前は漠然と「ウイルスは生き物である」と思っていましたが、読了した後では、「ウイルスは今まで思っていたのとはぜんぜん違う意味で、でも結局、生き物だったんだなあ……」と思うようになりました。

理系教授ということで、この人、森博嗣みたいに小説書かないかな…。 もう書いてるのかな…。
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島薗進『いのちを"つくっても"いいですか?』 [本の感想系]

今日届きました。

島薗進
『いのちを"つくっても"いいですか?』
NHK出版
2016年1月30日
1300円+税

いのちをつくっても.jpg

技術的に「やれること」と、
倫理的に「やってもいいこと」と。

そこはずーっと気になっているし、どう考えていけば良いのか悩んでいる……というかわからなくて困っているところなので、きっとこの本はヒントになると思うというか、良い本なんじゃないかと思っている。

これから読みます。

しばらくかかります。

いのちを“つくって

いのちを“つくって"もいいですか?―生命科学のジレンマを考える哲学講義

  • 作者: 島薗 進
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2016/01/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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村田らむ『禁断の現場に行って来た!!』鹿砦社 [本の感想系]

村田らむ
『禁断の現場に行ってきた!! 命がけ潜入体験ルポ』
鹿砦社 2015年12月25日 925円+税

村田らむ.jpg

 著者が今までめぐってきた「現場」ルポの総まとめ的な一冊。表紙の絵も本文中の写真も挿絵もマンガも文章も(装丁と著者の写真以外は)すべて著者がこなしていると思われる文字通りの村田らむ超スペシャル。(ただし、ちょっとグロ注意。でも写真は大丈夫、処理してあります。)

 著者は『やや日刊カルト新聞』の記者もこなすフリーのイラストレータ・文筆家。絵もマンガも文章も読みやすくわかりやすく面白い。

 本書の構成はイカのようになっている。

はじめに

《第一章》立入厳禁!タブー地帯に大潜入!!
 自殺の名所 富士の樹海に死体を探しに行ってみた!!
 近くて遠い国 独裁国家・北朝鮮のリアル
 自殺の名所、スラム… 韓国バチ当たりツアー
 軍艦島と巨大廃墟めぐり
 死臭漂う“事故物件”の現場

《第二章》命懸け!体当たりガチンコ取材!!
 深さ100m級の穴が死を招く 落盤注意の地下遺構に潜入!!
 バラバラ殺人の現場、保険証なしでもOK 噂のヤバい病院に行ってみた!!
 怪しい面接ルポ 41歳の(裏)ハローワーク
 あなたの夕飯を食べさせてくれ! 実録・隣の晩御飯
 元手0円!“ジャンクビジネス”でいくら稼げるか!?
 汚部屋清掃日記
 ホームレスのメッカ・上野で物乞いしてみました
 5日間“断食ダイエット”で痩せる!!
 ゲテモノを喰らう!!
 東京から名古屋までヒッチハイクに挑戦!!

《第三章》アヤしい新興宗教に突撃!!
 輸血禁止、鞭打ちで有名なアノ団体 エホバの証人に大潜入
 洗脳されかけた!! 樹海の中心で人類滅亡を祈る老夫婦
 廃寺に棲みつく韓国人和尚の正体
 謎の団体メンヘル友の会の実態
 サイエントロジーでトラウマは解消できるのか!?

《第四章》ヤバすぎる裏社会の闇を覗き見!!
 多摩川で“闇畑”を大発見
 東西ドヤ街紀行
 ホームレス&パンク&ヤクザになって街を歩いたらどーなる!?
 裏モノライター惨殺事件の真相

あとがき

 まるで疾風怒濤である。世界をこんなふうに駆け抜けなくてもいいではないか。書き方/描き方があまりに「のほほん」としているのでうっかり読み飛ばしてしまいそうになるが他では絶対に読むことも知ることも出来ないような大変に重要なリポートが満載である。書/描き切れなかった小エピソードが「禁断のこぼれルポ」として断続的に掲載されているのも多角的である。そして各節の末尾にはきちんと「まとめ」or「オチ」が用意されている。心配りが細やかである。

 本のタイトルや章題などからは「行け行けドンドンどこまでも!」という勢いだけで駆け抜けてしまった感が漂うが、本当はそんなことはなくて、実にゆっくりと対象者の話に耳を傾け、じっくりと「現場」を味わっている。

 すごい。

 面白い人がいても、その人が何をどう考えているのかを知るには、その人に聞いて、その人が話してくれるまで待つしかない。あたりまえのことだけど、これはわたしには非常に難しい。だけど著者は実に自然体にそれを行っている。人だけではなく場所、「現場」の「声」というか、……「現場を聞く」?……ためには、本当に、現場に聞くしかないのだと思う。時間をかけて、ゆったりそれが出来ているように思う。疾風怒濤なのに非常に濃いリポートになっている。

 後半には、自分が「現場」そのものになって、どう感じ・どう思い・どう考えたのか? というルポもある。最後の最後には、とある事件の真相に、ちょっと普通ではあり得ない角度から、報道記者の側面も垣間見せつつ迫っている。

 すごいものを読ませていただいた。ありがとう。

禁断の現場に行ってきた! !

禁断の現場に行ってきた! !

  • 作者: 村田 らむ
  • 出版社/メーカー: 鹿砦社
  • 発売日: 2015/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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